すぐ天狗のせいにする

王様の耳はロバの耳

「ラブライブ!スーパースター!!」に出会ってから今までの話

Liella! First LoveLive! Tour ~Starlines~ の追加公演Day2までを見終えて、

キリの良いところで自分と「ラブライブ!スーパースター!!」ついて

2021年7月あたりから現在までの記憶をたどりつつ雑にまとめておきます。

 

前置き

まずLiella!に出会った時の自分の状態は

・アニメ「ラブライブ!」「ラブライブ!サンシャイン!!」未試聴

・ライブステージを見たのはバンナムフェスのギルキスが初

・アニメ「ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」は全話見た

 

という感じで、ラブライブフェスも見ていなかったためその企画の発表時点では

ラブライブ!スーパースター!!」というものの存在を知りませんでした。

なんとなく「ラ!の新しいアニメやるってよ」っていうのを聞いたくらいかも。

なので当然アニメ前のLiella!のことは何も知らない状態で、2021年7月のアニメ放送を

迎えました。

アニメを見る動機になったのは、虹ヶ咲のアニメがすごく良かったから。

虹ヶ咲のアニメを見る動機になったのは、知人のオタクの勧めでした。

 

知人が勧めたとおり虹ヶ咲のアニメは本当に楽しめました。

第1話でもう好きになり、今でも第1話が一番好きな回です。

しかし1話1話の完成度の高さ、そして彼女たち自身の完結度の高さもあって

すっかり満足してしまい、試聴後に飢えを感じることがなかったことと、

2期決定の速さも手伝ってソシャゲの方には食指が伸びませんでした。

「アニメだけ見てればいいかな」

そんなライトな気持ちでアニメ「ラブライブ!スーパースター!!」も

見始めたのでした。

 

また1話で殴られる

「好きなことを頑張ることに、"おしまい"なんてあるんですか!?」

この台詞で可可を好きになった人が2000万人くらいいると思いますが、

御多分に漏れず僕もそのひとりです。

第1話Aパートの終わりの一幕で発せられたこの台詞ひとつで継続試聴が決定。

1話~3話までの流れが本当に完璧すぎて、信用の塊になりました。

特に3話はすごい。よく冗談で楽しかった時間を「体感2秒だったわ」とか

つまらなかった時間を「2日くらいあったわ」なんて言ったりしますが、

3話に関しては内容が濃すぎて1時間くらいに感じるという稀有な体験でした。

この1話~3話をまとめて「劇場版ラブライブ!スーパースター!!第一部」に

できるくらい、きれいにまとまっていると思います。

アニメに関してはこの後もちぃちゃんの静かなるクソデカ感情爆弾を食らったり

すみれと可可の関係性に悶えたりしますが、個人的に一番大きなカタルシス

3話だったので今回はアニメの話はここまで。

 

OP&EDリリースイベントを見て横転する

アニメが好きになっちゃったので当然CDも買っちゃいます。

配信でイベントが見られるなら見ちゃいます。

「OPとEDのリリイベなんだからまあタイトル曲はやるとして、

カップリングまでやったら儲けものだろうなあ」くらいの気持ちで気楽に

見始めたら、なんか1stシングルのカップリング曲までやり出しちゃって…

ていうかダンスすげえ。カメリハどんだけやったのってくらい目線もスイッチも完璧。

リリイベってこんな品質だっけ?これが無料なんですか…?

などと感心しきりのところにぶち込まれた「未来は風のように」の

EDアニメーションに合わせた演出。後にツアーでもずっとこれをやるとはいえ、

この段階でここまで完璧な出来に仕上げてるのがマジですごい。

演者もすごいがカメラもすごい。照明もすごい。舞監もすごい。

ジャケ再現のところはもうなんていうか感心を通り越して嬉しくなっちゃって

笑うしかなかった。

 

これを見たおかげで、一度は現地でライブを見ねばならぬと思い立ち、

1stツアーの中で行けそうな公演には、無理のない範囲で応募し始めました。

 

聖地巡礼する

別現場で東京に行ったついでですが、原宿に寄って聖地巡礼もしてきました。

主にEDの背景になった場所や、アニメ前半によく登場した場所をメインに

回りましたが、EDで恋ちゃんが座って本を読んでいたお店や、ちぃちゃんの

バイト先だったCOMMUNEは今はもうなくなってしまい、

秋葉神社もなにやら工事をしていて東京という街のサイクルの速さを

思い知るなどしました。

個人的にはやっぱり3話とTiny Starsがめちゃくちゃ好きなので、

代々木公園野外音楽堂は絶対に行きたい場所でした。

ステージを見ながらヘッドフォンでTiny Starsを聴き、ステージ上にクーカーの姿を

幻視するのはなかなかに奇特な体験です。

もしソロで聖地巡礼をするなら、サントラで劇伴を聴きながらがおすすめです。

本当に自分がアニメの舞台に入り込んだように感じられて素晴らしいのですが、

くれぐれも車には気を付けてください。

 

1stツアーに参戦する

群馬Day1を配信で試聴後、岡山Day1、大阪Day2、仙台両日、

追加公演両日に現地参加しました。

先のリリイベでステージの品質は理解していたつもりだったけど、

有観客でのステージは無観客の時よりもより大きな動きで、

より活き活きとした表情で、より熱の入った歌声で届けられたように感じられました。

「この子達本当にこれが初舞台なの?」と思うようなパフォーマンスはこれまで

別の現場でいくつも見てきたけど、Liella!はちょっとレベルが違っている。

それはダンスを見ても歌を聴いてもそうだし、何より曲数がおかしい。

このツアーのために一体どれだけの時間を費やしてきたのかは分からないけれど、

それがかなり多くの時間だろうということを納得させられるのに時間は要らなかった。

 

アニメをなぞるように組まれたセットリスト。

ストーリーやキャラクターの心情を補完するように挿入されるカップリング曲は、

その歌唱メンバーにも文脈を持たせて殴ってくる。

曲の前後に加えられた芝居でも、グッと作品世界に引き込んでくれる。

アニメが面白かったからこそこのライブが楽しめているという感覚はやはり幸福で、

アニメとライブ、どちらか一方にでも瑕疵があれば味わえないものだなと思います。

 

ライブで歌われる楽曲としての白眉は、やっぱり『Day1』。

サビの縦ノリが本当に気持ちいいし、ペイちゃんをはじめ舞台上の演者全員で

客席を煽ってくれるので否が応でも気持ちが跳ねます。ペイちゃんかっこいいね。

 

純粋にステージパフォーマンスとしての面白さは『ノンフィクション!!』。

華やかで見どころが分かりやすい。ペイちゃんかっこいいね。

伊達ちゃんのチャールストンステップもいいね。

 

ツアーならではの楽しみは『リエラのうた』パート。

歌を替え、演者を替え、組み合わせを替えてとバリエーション豊かで、

「今日は誰が何を歌うんだろう」という楽しみと、

「どこから何で殴られるか分からない」という恐ろしさみたいなものがありました。

まずこのパートが始まる前に流れるアニメーションがずるいですよね。

あれ見ただけでもう、ちょっと泣いちゃってるので。

このパートでは青山なぎささんが本当に八面六臂というか、めちゃくちゃ強かった。

常に100点以上を叩き出してくる。震えるほどきれいな歌声です。

仙台初日で初めて5人での『Primary』を聴いた時はマジで無理になって

顔面ビチャビチャおじさんになりました。

現地で浴びた瞬間最大風速は、岡山初日のペイちゃんの『Dears』でした。

情感たっぷりに歌声に表情をつけていく表現がヤバかった。

千秋楽の『Departure』は言わずもがなの死亡。

 

でもやっぱり、このツアーを象徴する曲は最後に歌われる『この街でいまキミと』。

「この街」というのは、歌詞の内容を見てもLiella!のみんなが暮らしている

結ヶ丘のあるあの街のことを。「キミ」は仲間を指しているんだろうけど、

全国10都市を回るこのツアーで歌われるからには、「いま」Liella!がライブをしている

場所を「この街」、客席にいる僕たちを「キミ」としているのでしょう。

追加公演ではこの曲が歌われなかったことを考えてもこのメッセージは明白だし

「Liella!が会いに来てくれた」という感覚を改めて実感できる素敵な演出だなと

思います。

そういう意味では遠隔地よりも逆に渋谷公演が文脈的に一番エモいのかもしれません。

Liella!はわしのような老いぼれにも「ずっと友達」だと言ってくれたんじゃ…

 

各都市いずれもキャパ2000前後の箱だったのも良かったですね。

距離が近くて演者の温度まで感じられる、すごく暖かい雰囲気に包まれた

良いツアーでした。

新型コロナに関しても、一度下火になってからオミクロン株で再流行するまでの間に

全公演がすべて収まり、クラスター感染も出さなかったのは本当によかったです。

参加された皆さんも、スタッフの皆さんも本当におつかれさま。

千秋楽でりーちゃん、追加公演でなぎちゃんも「思い出になればうれしい」と

言っていましたが、このツアーは素敵な思い出になりました。

 

演者自身のストーリーに惹かれる

オーディション映像の一部公開や、キャラクターのバックボーンと

その演者の経歴の相似みたいなところまで、言い方は悪いけど全部売り物として

パッケージしてるんだなと感じました。

それが良いとか悪いとか、好き嫌いの話ではなくて、そういうスタイルで

やっていくコンテンツなんだなと。個人的にはそういうのに全く触れずアニメだけで

めちゃくちゃ好きになったのでそういったものの必要性は感じていないんですが、

まあ、普通にめちゃくちゃエモいですよね。

おじさんなので応援したくなってしまいます。

 

いつの間にか自宅にグッズが増えている

ラブライブ!」というコンテンツに触れて思ったこと。

死ぬほどグッズが多い!死ぬ!

使いまわしや場面写の絵柄も死ぬほど多いですが、グッズの種類の絶対数が多い分、

他コンテンツと比べて相対的に描き下ろしグッズの数も多くなってますね。

これだけ種類があれば、普段あまりグッズを買わないような人間にも1つくらいは

欲しくなるものが出てきます。

1つくらいと言いましたが、自室を見回すと、あれ…?ぱっと見でも10個以上は…

おかしいな…

普段は場面写グッズなんて買わないんですが、好きなカットだと思わず手が出る

もんですね。最近のグッズは出来がいいものも多いし。

フォーレとか東京タワーとかバナナの神様とかキャラポップフェスとかにも

足を運んでしまってるし…スイパラにも行く予定だし…怖いなラブライブ

可可がかわいすぎるのがいけないんだよ。

 

これから

はい、これまではそんな感じです。

先のことはとにかく1stアルバムとアニメ2期が一番楽しみ。次いで2ndライブ。

2期はLiella!のみんなが2年生になっているだろうし、Liella!を見て結ヶ丘に入ってきた

新入生が学校アイドル部の門を叩いてメンバーが増えるのでしょう、たぶん。

今の5人のLiella!がめちゃくちゃ好きなので新メンバーみたいなものは本当にまったく

望んでいないし出来れば増えてほしくないなというのが本音ですが、最終的には

9人になるんだろうなあと。

でも、何の根拠もないけど、なんとなくこの「ラブライブ!スーパースター!!」を

作った人たちなら、こういう初期メンバー原理主義みたいな感情を持っている人間でも

新しいメンバーを気持ちよく受け入れられるようにしてくれるんじゃないだろうか

という淡い期待を持っています。

2ndライブはアルバム曲以外にどんなことをしてくれるのか全く分からないので

これも楽しみです。横浜は行けないので、名古屋当たれ!

 

 

蛇足

そういえばBD6巻の「トゥ トゥ トゥ!」の試聴動画見ましたか?

めちゃくちゃいい曲じゃないですか?早くフル聴きたいんですけど。

なんならライブで弾き語ってほしい。Tiny Starsのコード弾きよりちょっと

ハードルが高いけど、伊達ちゃんなら頑張ってくれそう。

弾き語りで思い出したけど、自宅でけっこうLiella!の曲をアコギでコード弾き

しています。便利な世の中になったもので、曲データを食わせればある程度

コードを出してくれる無料のスマホアプリなんかが普通に提供されていて、

ダメ音感の自分でも手軽にコードを知ることができて最高。微調整は必要だけど。

 

こないだリエラジでなこちゃんとなぎちゃんもギターを始めたって言ってたので、

興味のある人は軽いノリで始めてみたらいいと思います。

楽器をやると音楽の聴き方が変わる、というか視点が増えるし、なにより弾けると

楽しいし。今は教室に通ったり教本を買ったりしなくてもYoutubeはじめネットに

いっぱい情報が転がっているので、ギターさえ手に入れてしまえばあとはなんとか

なります。中古でいいです。店員さんに予算とか伝えてみましょう。

反ったネックの直し方とかもネットが教えてくれます。さあレッツギター!

 

 

神獄塔メアリスケルターFinale 感想

 

この記事は「神獄塔メアリスケルター」シリーズのネタバレを多分に含んでいます。

ネタバレを見たくない人は読まないでください。

 

そういうの大丈夫な人は下にスクロールして読んでください

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はじめに

まずは完結おめでとうございます!

この物語の完結を見られたことが純粋に嬉しいです。

僕とメアリスケルター

そもそも自分がメアリスケルターの存在を知ったのは2からで、きっかけは自分の推し声優さんである阿部里果さん(つう役)が主役だったからでした。

これでもかと言うほど推しの芝居が聴けたので、阿部里果さんを是非にと推してくださった原案の乙野四方字先生には感謝感謝です。

 

そんなわけで1を未プレイのまま2の前日譚のみを読んで2をプレイしたのですが、ラスト手前のストーリーの辛いこと辛いこと…(導入部もけっこう残酷な描写でキツかったけど1を知らないことで受けるダメージは減っているはず)。その後、救われることを信じて1のリメイクをプレイしている時の自分の心情と言ったら、ペルソナ4(他社タイトルで申し訳ない)で菜々子が攫われてから1日で天上楽土をクリアした時のそれ以上に使命感と焦燥感に駆られていたと思います。

そうしてリメイクのTrue Endを迎えた際の自分はもう顔面ビチャビチャ丸になっていました。よかったね、つう、人魚…。

Finaleが発売されることと、Finaleでは地上に出てからの物語が描かれることを知った時、そしてつうと人魚が継続して登場することが分かるともう嬉しくて仕方なかったのですが、その分、発売延期のお知らせはなかなかこたえました。

そして11月5日の発売から10日目にして本編クリア。会社勤めのおっさんにしては頑張ったと思います。

感想

ストーリー

あの状況下で得られるハッピーエンドとしてはかなり報われた感じがあり、特に後日談としての恋獄塔True Endではそれを実感することができました。

ただ細かいところで言えば、賀東の過去についてゲーム内ではほぼ語られなかった(獄中童話前夜譚を読まないと分からない)おかげでラスボスとしてはちょっと取ってつけたような印象があったり、ジュウ(ハウテハロデ)の妻チェシャラエミィがなぜ監獄塔のAI(もしくはそのモデル)になったのか、その理由と経緯が不明のままだったりなど、モヤモヤするところもいくつかありました。

考察するのもひとつの楽しみ方ではあるのですが、ごく個人的な感覚で、ぼやかしてもらって考察したいところと、明確な答えを提示してほしいところが自分の好みと一致していなかったという感じでした。

ダストボックスについては、特にどのチームに渡すかを指定可能なところが、3つのチームに分断されて連絡も取れないというシナリオ設定の説得力を損なっているので、もうちょっとちゃんと考えてほしかったですね。

キャラクターごとのエピソードとしては、シラがラプンツェルや眠り姫と心通わせるところ、ジュウとかぐや姫がお互いを理解していくところ、つうとジャックの深いつながりが感じられるところなんかが心に響きます。それと定番のつうがアリスと人魚の地雷を踏むやつで、人魚がほぼいつものテンションのままキレるのが好きです。

キャラクターはグレーテルが一番好きで、今作のストーリーで幾度か見られたグレーテルのこめかみキス、グレーテルのこめかみキス、グレーテルのこめかみキスには身悶えしました。眠り姫にも言えますが、シラやラプンツェルなど自分よりも幼い仲間と長く過ごすうちに母性のようなものが芽生えたりしていて、環境が人を変える様子がよく描かれていたと思います。

グレーテルと言えばシリーズ通して血式リビドーの描写が大好きで、甘いものであれば幼い子供からも容赦なく奪い取るところが笑えますし、甘いものを食べてる時の幸せそうなグレーテルが本当にかわいくて最高です。

他に特に好きなキャラといえばラプンツェル。いつもまっすぐに自分の意思を言葉で、行動で表す彼女の純粋さにいつも泣かされます。

かぐや姫も好きなキャラです。どこが好きって言われると困ります(!)。共感を得られるような言葉で説明するのが難しい魅力がありますね…。

Finale全体の印象としては大味というか、2から1リメイクをプレイした時ほどのカタルシスが感じられなかったなと思います。1からFinaleまでを一つの作品として見る場合は、1リメイクのTrue Endがクライマックスだったなという感想になります。お話としてより面白いものをというところよりも、物語をきれいに畳むことに終始した印象が強いです。血式少女の友情度4~5でイベントが一つも追加されないのも残念でした。ハッピーエンドは大好きなのですが、賀東や処刑台少女、ジュウという存在についてもっと振り返ってくれてもいいのになと思いました。

特に処刑台少女はみんなゴアスーツの機能によって常時ジェノサイド状態だったはずで、通常状態に戻ったら情動にどのような変化があったのかは見てみたかったところです。先天的か後天的かというところでシラとは大きく違うことは理解していますが。

さらに細かいところでは、シャーロットは童話の主人公ではないのになぜ血式少女として生まれたのかとか、シャーロットは母親とファーストネームが同じだからミドルネームでいいとしても、シャーロットはなぜメアリーにまでミドルネームで名付けたのかとか、特に血式少女としてのシャーロットの出自については自分の持ち合わせの知識ではちょっと分からない部分が多いのでモヤモヤしたままです。

ゲーム

ゲームとしての要素は、正直言ってあまり評価できないです。

良くない点としては大きく以下3つを挙げます。

1. 全作通して使い回されているリソース

2. どんぶり勘定のレベルデザイン

3. 改善されない不親切なUI

改善されないということは、作っている人たちも把握していながら修正していないということなので、そこを楽しむためのゲームではないと受け取っています。具体的にどこがこうだからというのは挙げるまでもないですね。コンパイルハート製の他タイトルにしてみても、ファンの声を見ているともうそこは了承済みで一切期待せずに購入・プレイしているという印象です。

ゲームとしてプレイできればいいという程度の品質であれば、もはやゲーム部分は必要なくストーリーだけでいいんじゃないかと思ったこともありますが、ゲームの部分がまったく必要ないかと言うとそうではなく、物語とプレイヤーとをインタラクティブな関係にするための装置としてはかなり重要で外せない要素です。かけた時間や様々なストレス(悪い意味ではない)も、物語に伴う体験を彩るスパイスになっています。これは何もメアリスケルターだけに限った話ではないので、もちろん物語のあるゲームとしては物語部分もゲーム部分もおもしろい方がいいに決まっているというのは当然ですが。

良い点としては、返り血と穢れ管理のシステムが、作品世界の表現とバトルの緊張感を増す装置になっているのがいいですね。個性的だし面白いシステムです。これが無かったらメアリスケルターじゃないといってもいいです。R1でバトル演出を高速化できるのもストレス緩和に役立っています。

ザッピングシステムに関しても、切り替え時のロード時間もストレスを感じず、テンポよく切替ができたのが良かったです。マップも全体的に合わせて広くなってはいるものの、長くなる監獄塔探索において、ザッピングによるパーティの切り替えは張り詰めた緊張の糸を一旦切ることができる良い気分転換の契機にもなりました。HELPアイコンの存在も、探索に詰まった時の足掛かりとして非常に助かりました。

ジェイルや監獄塔内部、エリアマップ、メルヒェンやナイトメアのアートワークは物語世界の雰囲気をよく伝えていて、物語に対する没入感を増幅してくれていると思います。BGMは特にバトルBGMに好きな曲が多いです。ストーリーパートではもう少しバリエーションが多ければいいなと思いました。

シリーズを通して

Vita版以外、つまり1のリメイクと2とFinaleをプレイしました。順序は、2前日譚→2→1前日譚→1リメイク→余章→恋獄塔→小説版→獄中童話前夜譚→Finale→恋獄塔True Endだったと思います。

元来残酷な描写が好きではないので、特に2からやり始めた自分にとって、序盤の謎のナイトメアの容姿とその所業はかなりインパクトが強く若干抵抗がありましたが、それもプレイしているうちに少し慣れました。

先に少し書きましたが、2のクリアから1のTrue Endまでの自分の精神状態がまったく正常でなかったため1の記憶があまりありません()。落ち着いたら1も2ももう一度プレイしてみようと思います。

そういえばこれも2から始めたのが原因なのかもしれませんが、ハーメルンに対する相棒感とハーメルン解放地区に対するホーム感が抜けません(笑)。今村さんが廃業されたことでCVが河野さんに代わりましたが、河野さんのハーメルンもとても好きです。後釜についてはFinaleの発表時点でどうなるのかと思ってはいましたが、キャストが河野さんだと発表されたときに安心した覚えがあります。

OPテーマも2が一番印象に残っています。作詞作曲がかのJ・A・シーザーではそれもやむなしといったところです(自分がウテナ世代なのもあります)。OPムービーって、作品の雰囲気に与える影響がすごく強いですよね。2はあのOPの雰囲気をずっと引きずりながらプレイしていたので、かなり作品世界にのめり込むことができました。そのせいもあってかOPムービーも2が一番好きです。ムービーの最後でつうと人魚が背中合わせで武器を携えてるあの絵がめっちゃかっこよくて好きなんですよね。

EDは「ヨロコビノウタ」が好きです。クラシックのマスターピースが継ぎ接ぎされた、優しく勇ましく、戦い抜いた末に大団円を迎えるにはぴったりの曲だと思います。

はじめにも書きましたが、この物語の完結が見られて本当に嬉しいです。特につうと人魚が幸せになってくれたことがなにより。でも恋獄塔True Endが予約特典というところが何よりも残酷かもしれません。

結局2が一番好きみたいな感想になってしまった!

 

余談

そういえば、恋獄塔True Endについて公式サイトには「前回大好評だったADVゲーム「恋獄塔 めありーすけるたー」の摩訶不思議な続編が今作の予約特典に登場!」と書かれていましたが、続編は摩訶不思議でもなんでもない、むしろ本編として実装してもいいちゃんとしたお話でしたね…。

賀東が去ったあとのジャックたちのキャンプで血式武器の改造をしてくれていた、メガネに白衣の彼は…。新しい世界では見かけなかったけど彼は…彼はどうなったの…?

シラに着いたベイビメアを剥がした時の「取るの遅い!」の言い方がかわいい。

あ、あと今作はえっちな要素が露骨に少なかった!

アニメ化待ってます!!!!

夢を語れ

ラーメン屋の話ではなく、ミリオンライブの話です。

「ラーメン屋ってなに?」と思った方は、「ラーメン荘 夢を語れ」で検索してください。僕は二郎系ラーメンのようなものを食べるとたちまち床をのたうち回って死ぬと思っているので食べたことはありません。

 

夢を語ろう

 ミリオンライブに関して「こうなったらいいな」「こんな展開が見てみたい」といった願望を持っている人、たくさんいると思います。もちろん僕にもありますが、僕の場合、大抵その出力はまず公式に対してサポートセンターやライブのアンケートといったものに託します。次いで、その要望が聞き届けられていないと感じたときに、お気持ちブログやツイッターでの愚痴として出力されます。

 この記事もそんなお気持ちブログのひとつではあるのですが、ネガティブなことを書くと、ネガティブな言葉が許せない、生理的に受け付けないという人たちが怒りをおぼえたり気分を害されたりするので、そういう人たちに配慮してできるだけネガティブな表現を使わず、実現の障壁になりそうな悲観的要素は一切考慮なし。頭をお花畑にして「ぼくがかんがえたさいきょうのミリオンライブ」みたいなことを書いてみようと思います。

 

テレビアニメ

 ミリオンライブがテレビアニメになったらいいなあ。テレビアニメは全5クール。もちろん52人全員にお当番回があるよ。基本的に1話完結で、EDは当然1話ずつ全部違うものだよね。1クールごとの最終回には大きなカタルシスとエモい新曲があるよ。アイドルが歌って踊るシーンは手書きでぬるぬる動くよ。アニメ関連のCDは全部で60枚。その全てに新曲が収録されているんだ。

 

CD展開

 ミリオンライブのアイドル52人全員のソロアルバムが発売されたらいいなあ。既存曲、新曲、カバー曲、ドラマパートが収録されていて、それ1枚にそのアイドルの魅力が凝縮されているから、アイドル単体に興味を持った人も入りやすいんだ。5枚~6枚ごとに違う共通曲(新曲)も入ってるよ。

 

ライブ展開

 ソロCDシリーズと連動した、5~6人ずつのライブツアーだったらいいなあ。人数が少ない分、内容がとても濃いんだ。もちろん生バンドだよ。MCの時間がほとんどなくて、公演時間は2時間半くらい。アンコールは基本的になしだよ。会場のキャパは1万前後で、チケットは良席10000円、通常7500円、後方5000円、LVは3500円だよ。当然Thank You!は必ず歌うよ。開場14時、開演は15時だよ。

 

ゲーム

 劇場経営シミュレーションを軸にしたアイドルプロデュースゲームになったらいいなあ。ガチャはないよ。お金を払えば欲しいものが確実に手に入るDLCってすばらsなんだか虚しくなってきたから終わりだよ

 

 

ぐり と した

はじめに

 1stライブ無料配信以降に見られたミリオンライブ老人会みたいな自分の周りの言を受け、日に日にミリオンライブから心が離れてしまっていることを自覚している自分が、自分なりに「なぜ自分は今のミリオンライブに以前ほどの魅力を感じないのか」「それなら昔のミリオンライブの何に魅力を感じていたのか」ということを具体的に言葉にしてみて、それを確認してみようという試みです。できればモチベーションを取り戻したい。

 端的に言えば、自分が「グリマスのこういうところに面白さを感じていたのではないか、ミリシタのこういうところに面白くなさを感じているのではないか」を、グリマスとミリシタを比較することで整理する行為です。

 あくまでも自分自身のために行うことなのでわざわざ人の目につくところに置く必要があるのかと言われればまったくないのですが、おじいちゃんなので自分の話を誰かに聞いてほしいという気持ちと、人に伝える形で作業した方が自分にも入ってきやすくなるのではないかと思ったからです。なのでちょっとした説明に文字数を割いている部分もあります。知ってる人は読み飛ばしてください。

それではできるだけ愚痴にならないように気を付けてやってみたいと思います。

事実に基づくものについては間違いが無いように書くつもりですが、間違っている箇所があれば指摘とソースの提示をしていただけると嬉しいです。

 

身も蓋もない端的なまとめ(長くなるのでサマリとして)

・シタ:アイドル全員が参加するイベントがほぼ無い ⇔ グリ:2か月に1回はあった

・シタ:プレイのカロリーが常に高くて疲れる ⇔ グリ:手軽にプレイできた

・シタ:アイドルが3Dで歌って踊る ⇔ グリ:イラスト、テキスト、ボイスのみ

・シタ:保坂氏が抜けてからあんまり曲が刺さらない ⇔ グリ:好きな曲が多い

・シタ:エピソードのやり直しと停滞感 ⇔ グリ:成長と前進を感じられた

比較と個人的感情

テキスト実装の速さ

 グリマスではボイスやコミュシーンを実装する必要が無く(一部のコミュやテキストにはボイスが実装されました)、ミリシタよりも速いペースでテキストが実装されていました。リッチさと天秤にかけられる要素です。

 最近では「オファー」の登場でミリシタにもボイスやコミュシーンのない短い新規テキストが比較的短いスパンで実装されるようになったので、これはうれしい点です。

 

テキストの豊富さ

 これもボイスやコミュシーンを実装する必要がないので、グリマスの方が実装コストが低く、ミリシタの方は実装は重いがリッチという強みがあると思います。現時点ではサービス期間がミリシタよりも長いグリマスの方が数が多いのも、当然といえば当然ですね。

 「情報量の多さ」で言えば、ボイスも3Dモデルで動くコミュシーンもあるミリシタの方がはるかにリッチです。しかしグリマスでは「極道イベ(※)」という、少ない量で局所的な出来事を描いたテキストを大量に投げつけられるイベントがあり、そのテキスト群を集めたときに出来上がるひとつの大きな成長劇やアイドルの変化は、ミリシタのイベントの情報量に勝るとも劣りません。
 語られない部分、行間を埋める作業は受け手の想像に任されるので、そういった部分は受け取る情報が少ないグリマスの方が多いでしょう。そのため、受け手それぞれの解釈に生まれる差異は、情報量が多いミリシタの方が少ないかもしれません。解釈違いに関しては一概に良い悪いと言うべきものではないですが。

 ただ、ミリシタでは各カードのほぼすべてに覚醒コミュが存在することや、「ふれあい」「オファー」のテキストが随時追加されていっているため、バリエーションに関してもいずれはグリマスを抜くことになるかと思います。

※「極めよ!アイドル道」に代表される、特定のアイドルとのプライベートレッスンを通じて、アイドルが困難に直面した時の心情や行動、他のアイドルとの関わり、プロデューサーとの交流などが描かれるイベント形式。1回のイベントにつき、イベント報酬カードとなる3~4人のアイドルを集中してプロデュースする。

 

シアター全体での動き

 これが一番顕著かもしれません。グリマスのいわゆる「チョコイベ(※)」では、ひとつのイベントにシアターのすべてのアイドルが参加し、全員分のテキストが追加されます。こちらも極道イベと同じく個々のテキストの量は多いものではありませんが、それぞれのアイドルとプロデューサーとの交流はもちろん、イベントでの役割を通じて関わったアイドル同士の交流が描かれることも多く、アイドルのいろんな新しい一面が見られました。こういったイベントが2か月に1度くらいのペースで開催され、「シアター全体で活動している」という感覚、一体感めいたものを定期的に感じることができました。
 対してミリシタでは、シアター全体で動くところが描かれるケースがほとんどありません。周年イベントくらいじゃないでしょうか。

※「ようこそ!アイドル学園天国」に代表される、有償無償のチョコレートアイテムを使用してポイントを稼ぐイベント形式。シアターのアイドル全員分の短いテキスト(1回のイベントにつき1人あたり概ね9種類)や3~4人一組のコミュを見ることができる。

 

アイドルの成長の描写

 これは、グリマスもミリシタも同等か、もしくはミリシタの方がよく描かれているかもしれません。グリマスからプレイしていると、アイドルもコンテンツもプロデューサーも何もかもが一緒に成長してきた感覚があるので錯覚しがちですが、ゲーム等で「アイドルの成長が描かれているか」という点だけを比較した場合、実際は同じくらいなのではないかと感じます。「感じる」という表現になったのは、比較するのが難しいからです。グリマスとミリシタの全テキストとCDのドラマパートなどを精査して「成長を描いているか」を評価する作業は膨大で、自分が検証するのは現実的でないという判断です。そもそも個人的感情の話なので精査する必要もないのかもしれませんが。

 ミリシタですごくうれしかったのが、アイドルそれぞれに用意されているメモリアルコミュです。それというのも、グリマスに実装された「ネクストプロローグ」というものに自分が期待していたものがここで供給されたからです。グリマスで「Episode 0」と銘打って実装された「ネクストプロローグ」は非常にクオリティの低い内容で当時ひどく落胆したので、ミリシタで各アイドルの「アイドルになった契機」から描いてくれたことは自分にとって福音でした。ただこのメモリアルコミュ、初期実装のエピソード1~3から次の更新となるエピソード4~5が実装され始めるまで約1年かかっている上、52人のシアターアイドル全員一括で更新されるわけでもなく、そこからさらに1年経とうかという現在においてもまだ全員分のエピソード4~5は実装されていません。これはあまりにも遅すぎると思います(もちろん早くても低クオリティでは逆効果ですが)。

 

ゲームとCD展開との連動

 ミリシタではゲーム内で新しいユニットと新曲、イベントが展開され、その新曲とカップリング的な扱いでもう1曲の新曲、そしてドラマパートが収録されたCDが発売されるというのが主な展開です。

 ゲーム内では、ドラマや映画、舞台演劇、PV、ライブなどの企画の起こり、その企画に参加するメンバーの選定が行われ、ユニットが結成されます。イベントコミュはその企画の中での舞台裏の出来事とそれに付随するライブステージが描かれ、CDには概ねその企画で作られたものや活動そのもの、活動の中での出来事がボイスドラマとして収録されます。ミリシタはこの展開をメインにMTGシリーズ、MTWシリーズと2年間やってきました。

 現時点では結果として例外的になったMSシリーズは、シアター組のアイドル39人のソロ曲が5~4曲収録され、765AS組のソロ曲は無く、シリーズ最後の1枚である08の最後に「Brand New Theater!」の765AS組13人歌唱バージョンが収録されています。MSシリーズに収録されたソロ曲は、ミリシタから新たに仲間に加わった白石紬と桜守香織も含め、「改めて自己紹介」の曲だそうです。出典は忘れましたが、保坂拓也か坂上陽三中川浩二(敬称略)の言だったと記憶しています。

余談:詳しいタイミングは不明ですが、MTGとMTWの間あたりでえいちPこと保坂拓也がミリオンライブのサウンドプロデューサー/ディレクターから外れています。

 一方グリマスは当初、ゲームとCDが連動していませんでした。最初のCDシリーズであるLTPは、50人全員参加である01の「Thank You!」を除き、4~5人のアイドルそれぞれのソロ曲と、そのCDの収録メンバー全員で歌う集合曲(ユニット名は無いのでユニット曲とは言いません)、さらにドラマパートが収録されたミニアルバムでした。

 そして翌年発表されたLTHシリーズでは、初めてゲームとCDシリーズが連動することになります。シアターのアイドルが5人ずつで10個のユニットを組み、そのうちの2つのユニットでライブを行う「プラチナスターライブ」というイベントがゲーム内で行われ、大抵の場合そのイベント期間中にイベントに参加する2つのユニットのCDが1枚ずつ、2枚同時に発売されました。このCDにはドラマパートは収録されておらず、各アイドルの2曲目となるソロ曲と、ユニット曲、そしてユニットで歌う「Welcome!!」が収録されています。ドラマの部分はゲーム内イベントのテキストが担った形です。

 さらに翌年発表されたLTDシリーズは、1枚目の「Dreaming!」を除き、シアターのアイドル二人一組のデュエット曲が1枚につき5曲とドラマパート、収録メンバー全員で歌う「Dreaming!」が収録されたシリーズで、ゲームとの連動はほぼありませんでした。ゲームの方では「765プロ全国キャラバン」編が展開されており、CDも日本の各地方での遠征活動がテーマになっていましたが、CDがテーマにしている地方とメンバー、ゲームのイベントで遠征した地方とその参加メンバーは必ずしも合致しておらず、CDに収録されているドラマパートともほぼ関連がありませんでした。またこのCD展開と同時進行のように3rdライブツアーが行われますが、このツアーもゲームやCDと連動していたかと問われると、微妙だとしか言えません。

余談:この3rdライブツアー開始直後あたりでディレ1こと石原章弘バンダイナムコを退社しアイマスから離れます

 グリマス最後のCDシリーズとなるLTFは、シアター組のアイドル37人をSUN,MOON,STARの3つの属性に分け、その中で12星座になぞらえた3~4人のユニットを作り、そのユニット曲と属性曲、そしてドラマパートを収録した全3枚のCDシリーズです(765AS組は楽曲には不参加です)。これはゲーム、CD、そしてライブとも連動していたと言っていいでしょう。「SUNSHINE RHYTHM」「BLUEMOON HARMONY」「STARLIGHT MELODY」はそれぞれ同名のイベントがゲーム内で開催され、CD展開とゲーム内イベントをすべて終えた後に武道館での4thライブ3daysも同名のサブタイトルで開催されました。

 あとはゲーム内のキャスト投票企画と連動したTA,TB,TC、ミリラジ曲が収録されたDJCD、さらにアイマスではこれまで無かった「コミカライズ作品から生まれた新曲」を収録したCDも単行本の特典として(一部配信限定の音源も含め)リリースされます。これらもライブで披露される機会はありましたが、グリマスとミリシタの比較に用いるものでは無いかなと思います。

強いて言えばグリマス時代のTAとは異なり、ミリシタ以降のTCでは765AS組も投票対象になったことくらいですかね。そこが重要なんだよと言いたい人もいるかと思いますが。

 

ユーザビリティ

 ミリシタはメインの画面が劇場の中であり、常に3Dモデルのアイドルが画面上で動いていてとてもリッチです。はじめのうちは自分も楽しめていましたが、プレイし続けているうちに、特別なタイミングを除いてこの劇場画面から得られる新しい情報は目減りしていきました。そうなってくると、特に用のないこの画面に遷移するたびにかかるロード時間が煩わしくなってきます。デイリーミッションのひとつであるアイドルとのふれあいは劇場画面でしか行うことができませんし、ふれあいの内容も、ふれあうアイドルを選ぶことができないせいで既に聞いた内容になることがほとんどになり、結局スキップします。スキップすることが分かっていても、アイドルをタップ→画面のフェードとデータのロード→スキップをタップ→画面のフェード→劇場の移動→画面のフェード→移動先画面のロード…という流れを3回繰り返すことになります。これを億劫だと感じる人間がものぐさなだけなのか、ゲームが不親切なのかは断定しかねますが、自分は億劫だと感じます。じゃあデイリーミッションをやるなと言われればそれまでかもしれませんね。リッチな画面と軽量で読み込みの少ない画面のどちらかを選べる設定がある、というのが親切なのではないかと思います。

 まとめると、「すぐに情報が欲しい時に検索上位のリンクを踏んだらトップページでクソどうでもいいFlashが再生されるタイプのサイトで、ページ内リンクをクリックするたび余計な演出が入る」みたいな煩わしさを感じるってことです。(この表現ももう古いですね)

 アプリゲーのミリシタに比べればブラウザゲーのグリマスにはリッチさなど全然ありませんでした。でもプレイ感はサクサクなので、「スマホで毎日プレイする」という前提であれば自分はこちらの方がプレイしやすいです。「グリマスのユーザビリティが優れていた」と言いたいのではなく、「グリマスもミリシタも特に快適だとは感じないが、自分はグリマスの方が触りやすかった」ということです。ミリシタも不必要な演出をカットできる設定などがあれば、自分も快適にプレイできるかもしれません。

 

ゲーム内容

 リズムアクションであるミリシタとブラウザポチポチゲーのミリシタのゲーム内容は、比較しようがありません。ただ、「イベントを走る」という行為で比較すると、やっぱりリズムアクションの方が身体的につらいですね。オートプレイにも限りがありますし、同じくリズムアクションであるデレステのイベントを走っていたプレイヤーが救急搬送されたという例もあったかと思います。同じ曲を延々とプレイするのも、よほど好きな曲でなければ拷問と大差ないですね。

 グリマスのイベントは、単に作業です。ゲームですらないと言われても仕方ないと思います。面白いかと問われれば、素直にゲームとしては面白くないです。極道やチョコイベならテキストが解放されていく楽しみくらいはありましたけど。ただ、大きな目的が「イベント上位を狙う」であれば、それにかかる作業は楽な方がいいです。その分、イベントを走るための金銭的負担は(イベント形式によっては)グリマスの方が大きかったかもしれません。

 

 キャラクターの視覚的表現

 カードイラスト

 覚醒前と覚醒後の絵柄がある、という点は共通です。加えてミリシタにはSSRカードに全画面表示のカードイラストがあります。絵に関してはもちろん個人の好みに依存するところが大きいですが、ミリシタの方が豪華な心象がありますね。ミリシタのSSRカードはグリマスのカードに比べて構図の自由度も上がっているので、表現の幅もかなり広がったと言えます。自分はどちらも好きです。

 3Dモデル/モーション

 ミリシタにしかない要素です。ライブシーンはもちろん、コミュでも大活躍しています。3Dモデルの出来については、グリマスからプレイしている自分でもほぼ違和感を感じていないので、すごくよくできていると思います。そもそも現実の人体の構造とは似て非なる2次元の人体を3Dに起こすと、ものすごい違和感を生むことが多いのでなおさらです。OFA(※)で星梨花、可奈、奈緒、未来、静香、翼が3Dに起こされた時もその出来はとても良かったので、当時から土台はできていたのかもしれません。次々実装される衣装の出来も素晴らしいです。

アイドルマスター ワンフォーオール … 2014年発売PS4タイトル。ミリオンやシンデレラの楽曲とキャラクターがDLCで配信された。

 モーションに関しては、ちょっとひっかかっている部分があります。コミュでのモーションなのですが大きく分けて3種類、仮に名前をつけるなら、ほぼ全員が使っている「汎用モーション」、1人のキャラしか使わない「固有モーション」、そして一部のキャラしか使わない「特殊モーション」みたいなものがありますよね。この中の「特殊モーション」、例えば百合子、紗代子、育あたりが共通で使う「両脇を締めて肘を胸の前に、両手を顔の横で握る」モーションなのですが、これ単体でも「普通に喋っててこんな動きするか?」と思いますし、さらにこれを複数のキャラで観測した場合には違和感がすごいです。単純に「俺の中の紗代子は人と話してる時にこんな動きしねーよ」という、解釈違いの話でもあります。「ゲームのキャラクターなんだから」というのはわかっていますので「現実味がない」などとはもちろん言いませんが、許容範囲を超えて気持ち悪くなったのだと思います。

 リッチなのはそれだけで良いことだとは思いますが、自分の場合グリマス時代からずっと脳内で補完してきたキャラの動きや仕草との落差が大きいのでしょう。これまでのアイマスのゲームに違和感を感じなかったのは、はじめからキャラが動いていたからかも知れません。

 

運の要素

 ゲームにおいて、運が絡む乱数的要素というものはおそらく無かったら無かったでつまらないものになるのでしょうが、「運ゲー」という揶揄が存在するように、運に左右される割合が大きいゲームを嫌う人は相当数いると思います。自分もその一人です。

 ガチャやスキルの話をしようとしているのではありません。目的のテキストを読めるか読めないかが運に左右されることについてです。ミリシタでは「ふれあい」と「オファー」、グリマスでは極道イベやチョコイベなどに該当します。

 まずグリマスでは、一定もしくは不定のスタミナを消費して発生したチャンス時に、選択肢の決定やアイテムを消費することでテキストが解放される形式でした。チョコイベではエリアごとの参加アイドルの中からランダムで3人が選ばれ、その中から一人を選択すると高確率でグッドチョイス、低確率でベストチョイスとなり、対応するテキストが解放されます。グッド、ベストにはそれぞれ概ね4種類ずつの短いテキストがあり、アイテムを使用することで確定ベストチョイスにすることもできました。特定の組み合わせのアイドルのグッドとベストをすべて開放すると、そのメンバー同士の会話となる「オフショット」も読めるようになります。極道イベに関しても、アイドルが限定されていることを除いてテキストの解放という点に限定すればチョコイベとほとんど変わりません。

 対してミリシタではゲーム内イベントにこういったテキスト解放に関わるランダム要素はありません。ミリシタにあるのは「オファー」と「ふれあい」です。「オファー」に関しては、オファーの開始から一定の時間経過でNORMAL、GOOD、PERFECTの結果が得られ、結果に依存する標準のテキスト3種か、結果に依存せず、必須アイドルによる推奨パートナーに関係するテキストが解放されますが、オファーを受けるアイドルの編成パラメータに影響されるものの、標準以外のテキストが解放されるかどうかは確率に依存しています(最近この確率が緩和されたように感じます)。

(2020/06/09追記・修正)「オファー」は2020年5月30日のアップデートで、未開放の必須・推奨パートナーの組み合わせが選択された場合必ずその組み合わせに該当するテキストが解放されるように改善されたそうです。知らなかった。やったね!

「ふれあい」は、劇場画面で吹き出しが表示されたアイドルをタップすることで見られるテキスト+ボイス+モーションの演出です(衣装コミュとは異なります)。初期からすべてのアイドルに数種類の「ふれあい」が実装されていますが、イベントごとに特別な「ふれあい」が実装されたり、SR以上のカードを入手することでそのカードに対応した「ふれあい」が追加されます。しかしこの「ふれあい」、たとえば「〇〇の新しいSRカードを入手したから、ふれあいが追加されているはずだ。見てみるか」と思っても、なかなか見られるものではありません。まず「ふれあい」は時間の経過(1時間枠・2時間枠・4時間枠の3種)によって発生し、一度に劇場全体に存在できる上限は1枠につき1人までで、合計3人です。劇場にいるアイドルはリログしたり一度タイトル画面に戻ったり等することで入れ替わりますので、入れ替わりの度に目的のアイドルを引く確率は3/54(シアターアイドル52人+詩歌&玲音)ということになります。さらに目的のアイドルを引き当てた後、どの「ふれあい」が再生されるかもランダムなので、1/(そのアイドルの所持SR数+そのアイドルの所持SSR数+デフォルト3種)の確率で目的の「ふれあい」を引き当てなければ見ることができません。

 この運要素、誰が得するんでしょうか。ちょっと想像がつきません。ユーザーが無駄な時間を使わされたりストレスためるだけで誰も幸せになっていないと思います。

 

楽曲

 これはもう完全に好みの問題です。グリマス時代の曲もミリシタ以降の曲も、どちらにも好きな曲と別に好きじゃない曲はあります。その中でミリシタ以降の曲の方が好きな曲が少なく、特にMTW以降はもっと少ない、というのが現時点での自分です。

 曲の内容ついては上記の通り完全に好みの問題ですが、楽曲数に関しては特に落胆しています。ミリシタ1年目にはMSシリーズとMTGシリーズとTBシリーズがありましたが、2年目にはMTWシリーズとTCシリーズのみになりました。

 アイドルマスターブランドという枠においてミリオンライブが持っている強みの中で一番わかりやすいのが楽曲数です。とりわけソロ楽曲の充実が目を引くように思います。ソロ楽曲が増えることで、各アイドル一人一人の個としてのカラーは鮮やかさと説得力を増していきます。これは、そのアイドル達がユニットを組んだ時に個々のカラーを組み合わせて描かれる景色の解像度を上げることにも繋がっていきます。自分がミリオンライブに感じている魅力とは、こういうところが大きいのかもしれません。39人分のMASTER ARTISTを出すくらいはやり遂げて欲しいですね。夢は大きく。

 

まとめ

停滞感

 グリマスで積み上げたものを一部引き継ぎながら、時系列としては一度リセットされ再構築されたミリオンライブのストーリーは、その解像度を上げてグリマスよりもリッチに実装されて始まりました。1年目はそれで良かったと思います。しかし1年の間新しい展開を待ち続けて迎えた2年目の展開には、自分が期待していた新しさを感じられませんでした。属性の縛りを受けなくなっただけで本質はMTGと変わらないMTWシリーズと、内容は素晴らしいのにあまりにも実装が遅いメモリアルコミュ。自分が欲しかったのは「前に進んでいるという感覚」だったと思います。実際に自分が感じたのは、シアターとしての目標がどこにあるのかも分からないまま足踏みをしている、または閉じた世界で似たような景色の道をぐるぐる回っている感覚です。これに耐えられないから、今は心が離れてしまっているんだと分かりました。

 

発見

 具体的に言葉にしてみると、今のミリオンライブにもいいところがたくさんあるということもよく分かりました。坊主憎けりゃ…に陥っていたところが認められたので、一度ニュートラルな立ち位置でミリシタを再評価するためのいい機会になったと思います。

 

次のステージへ

 メモリアルコミュ4~5、およびソロ2曲目のコミュを経て、アイドル達はようやくグリマス終了時点か、場合によってはその先へと歩みを進めていることが見て取れるようになってきました。できれば2年目いっぱいで全員分の実装をしてほしかったのですが、それは叶わなかったので3年目はもっとペースアップしてほしいです。

 シアター全体としての目標も欲しいです。時系列はリセットされているので武道館ライブでもいいですが、ミリシタになってからすでにもっと大きな会場でライブをしてしまっているのでちょっと違和感があるかもしれません。ドームでもいいですね。ライブ会場としてのドームはあまり好きじゃないですが。

 とにかく新しい展開、MTGやMTWみたいな形式とは異なる展開のしかたをしてほしいですね。それこそアイドル一人を深く掘り下げるソロイベントとか。それに連動してソロCDシリーズとか。もちろんいろんな面でコスパが悪かったりして他のアイマスブランドでもそんな展開はしていないんでしょうけど、他所と同じようなことをやってもジリ貧になりますし、ミリオンライブにはもっと冒険してほしいです。チュパカブラは別にいいです。

 

(2020/06/09)フォロワーさんからのご指摘で「運の要素」の内容を一部修正しました。ご指摘と情報ありがとうございます。