すぐ天狗のせいにする

王様の耳はロバの耳

ぐり と した

はじめに

 1stライブ無料配信以降に見られたミリオンライブ老人会みたいな自分の周りの言を受け、日に日にミリオンライブから心が離れてしまっていることを自覚している自分が、自分なりに「なぜ自分は今のミリオンライブに以前ほどの魅力を感じないのか」「それなら昔のミリオンライブの何に魅力を感じていたのか」ということを具体的に言葉にしてみて、それを確認してみようという試みです。できればモチベーションを取り戻したい。

 端的に言えば、自分が「グリマスのこういうところに面白さを感じていたのではないか、ミリシタのこういうところに面白くなさを感じているのではないか」を、グリマスとミリシタを比較することで整理する行為です。

 あくまでも自分自身のために行うことなのでわざわざ人の目につくところに置く必要があるのかと言われればまったくないのですが、おじいちゃんなので自分の話を誰かに聞いてほしいという気持ちと、人に伝える形で作業した方が自分にも入ってきやすくなるのではないかと思ったからです。なのでちょっとした説明に文字数を割いている部分もあります。知ってる人は読み飛ばしてください。

それではできるだけ愚痴にならないように気を付けてやってみたいと思います。

事実に基づくものについては間違いが無いように書くつもりですが、間違っている箇所があれば指摘とソースの提示をしていただけると嬉しいです。

 

身も蓋もない端的なまとめ(長くなるのでサマリとして)

・シタ:アイドル全員が参加するイベントがほぼ無い ⇔ グリ:2か月に1回はあった

・シタ:プレイのカロリーが常に高くて疲れる ⇔ グリ:手軽にプレイできた

・シタ:アイドルが3Dで歌って踊る ⇔ グリ:イラスト、テキスト、ボイスのみ

・シタ:保坂氏が抜けてからあんまり曲が刺さらない ⇔ グリ:好きな曲が多い

・シタ:エピソードのやり直しと停滞感 ⇔ グリ:成長と前進を感じられた

比較と個人的感情

テキスト実装の速さ

 グリマスではボイスやコミュシーンを実装する必要が無く(一部のコミュやテキストにはボイスが実装されました)、ミリシタよりも速いペースでテキストが実装されていました。リッチさと天秤にかけられる要素です。

 最近では「オファー」の登場でミリシタにもボイスやコミュシーンのない短い新規テキストが比較的短いスパンで実装されるようになったので、これはうれしい点です。

 

テキストの豊富さ

 これもボイスやコミュシーンを実装する必要がないので、グリマスの方が実装コストが低く、ミリシタの方は実装は重いがリッチという強みがあると思います。現時点ではサービス期間がミリシタよりも長いグリマスの方が数が多いのも、当然といえば当然ですね。

 「情報量の多さ」で言えば、ボイスも3Dモデルで動くコミュシーンもあるミリシタの方がはるかにリッチです。しかしグリマスでは「極道イベ(※)」という、少ない量で局所的な出来事を描いたテキストを大量に投げつけられるイベントがあり、そのテキスト群を集めたときに出来上がるひとつの大きな成長劇やアイドルの変化は、ミリシタのイベントの情報量に勝るとも劣りません。
 語られない部分、行間を埋める作業は受け手の想像に任されるので、そういった部分は受け取る情報が少ないグリマスの方が多いでしょう。そのため、受け手それぞれの解釈に生まれる差異は、情報量が多いミリシタの方が少ないかもしれません。解釈違いに関しては一概に良い悪いと言うべきものではないですが。

 ただ、ミリシタでは各カードのほぼすべてに覚醒コミュが存在することや、「ふれあい」「オファー」のテキストが随時追加されていっているため、バリエーションに関してもいずれはグリマスを抜くことになるかと思います。

※「極めよ!アイドル道」に代表される、特定のアイドルとのプライベートレッスンを通じて、アイドルが困難に直面した時の心情や行動、他のアイドルとの関わり、プロデューサーとの交流などが描かれるイベント形式。1回のイベントにつき、イベント報酬カードとなる3~4人のアイドルを集中してプロデュースする。

 

シアター全体での動き

 これが一番顕著かもしれません。グリマスのいわゆる「チョコイベ(※)」では、ひとつのイベントにシアターのすべてのアイドルが参加し、全員分のテキストが追加されます。こちらも極道イベと同じく個々のテキストの量は多いものではありませんが、それぞれのアイドルとプロデューサーとの交流はもちろん、イベントでの役割を通じて関わったアイドル同士の交流が描かれることも多く、アイドルのいろんな新しい一面が見られました。こういったイベントが2か月に1度くらいのペースで開催され、「シアター全体で活動している」という感覚、一体感めいたものを定期的に感じることができました。
 対してミリシタでは、シアター全体で動くところが描かれるケースがほとんどありません。周年イベントくらいじゃないでしょうか。

※「ようこそ!アイドル学園天国」に代表される、有償無償のチョコレートアイテムを使用してポイントを稼ぐイベント形式。シアターのアイドル全員分の短いテキスト(1回のイベントにつき1人あたり概ね9種類)や3~4人一組のコミュを見ることができる。

 

アイドルの成長の描写

 これは、グリマスもミリシタも同等か、もしくはミリシタの方がよく描かれているかもしれません。グリマスからプレイしていると、アイドルもコンテンツもプロデューサーも何もかもが一緒に成長してきた感覚があるので錯覚しがちですが、ゲーム等で「アイドルの成長が描かれているか」という点だけを比較した場合、実際は同じくらいなのではないかと感じます。「感じる」という表現になったのは、比較するのが難しいからです。グリマスとミリシタの全テキストとCDのドラマパートなどを精査して「成長を描いているか」を評価する作業は膨大で、自分が検証するのは現実的でないという判断です。そもそも個人的感情の話なので精査する必要もないのかもしれませんが。

 ミリシタですごくうれしかったのが、アイドルそれぞれに用意されているメモリアルコミュです。それというのも、グリマスに実装された「ネクストプロローグ」というものに自分が期待していたものがここで供給されたからです。グリマスで「Episode 0」と銘打って実装された「ネクストプロローグ」は非常にクオリティの低い内容で当時ひどく落胆したので、ミリシタで各アイドルの「アイドルになった契機」から描いてくれたことは自分にとって福音でした。ただこのメモリアルコミュ、初期実装のエピソード1~3から次の更新となるエピソード4~5が実装され始めるまで約1年かかっている上、52人のシアターアイドル全員一括で更新されるわけでもなく、そこからさらに1年経とうかという現在においてもまだ全員分のエピソード4~5は実装されていません。これはあまりにも遅すぎると思います(もちろん早くても低クオリティでは逆効果ですが)。

 

ゲームとCD展開との連動

 ミリシタではゲーム内で新しいユニットと新曲、イベントが展開され、その新曲とカップリング的な扱いでもう1曲の新曲、そしてドラマパートが収録されたCDが発売されるというのが主な展開です。

 ゲーム内では、ドラマや映画、舞台演劇、PV、ライブなどの企画の起こり、その企画に参加するメンバーの選定が行われ、ユニットが結成されます。イベントコミュはその企画の中での舞台裏の出来事とそれに付随するライブステージが描かれ、CDには概ねその企画で作られたものや活動そのもの、活動の中での出来事がボイスドラマとして収録されます。ミリシタはこの展開をメインにMTGシリーズ、MTWシリーズと2年間やってきました。

 現時点では結果として例外的になったMSシリーズは、シアター組のアイドル39人のソロ曲が5~4曲収録され、765AS組のソロ曲は無く、シリーズ最後の1枚である08の最後に「Brand New Theater!」の765AS組13人歌唱バージョンが収録されています。MSシリーズに収録されたソロ曲は、ミリシタから新たに仲間に加わった白石紬と桜守香織も含め、「改めて自己紹介」の曲だそうです。出典は忘れましたが、保坂拓也か坂上陽三中川浩二(敬称略)の言だったと記憶しています。

余談:詳しいタイミングは不明ですが、MTGとMTWの間あたりでえいちPこと保坂拓也がミリオンライブのサウンドプロデューサー/ディレクターから外れています。

 一方グリマスは当初、ゲームとCDが連動していませんでした。最初のCDシリーズであるLTPは、50人全員参加である01の「Thank You!」を除き、4~5人のアイドルそれぞれのソロ曲と、そのCDの収録メンバー全員で歌う集合曲(ユニット名は無いのでユニット曲とは言いません)、さらにドラマパートが収録されたミニアルバムでした。

 そして翌年発表されたLTHシリーズでは、初めてゲームとCDシリーズが連動することになります。シアターのアイドルが5人ずつで10個のユニットを組み、そのうちの2つのユニットでライブを行う「プラチナスターライブ」というイベントがゲーム内で行われ、大抵の場合そのイベント期間中にイベントに参加する2つのユニットのCDが1枚ずつ、2枚同時に発売されました。このCDにはドラマパートは収録されておらず、各アイドルの2曲目となるソロ曲と、ユニット曲、そしてユニットで歌う「Welcome!!」が収録されています。ドラマの部分はゲーム内イベントのテキストが担った形です。

 さらに翌年発表されたLTDシリーズは、1枚目の「Dreaming!」を除き、シアターのアイドル二人一組のデュエット曲が1枚につき5曲とドラマパート、収録メンバー全員で歌う「Dreaming!」が収録されたシリーズで、ゲームとの連動はほぼありませんでした。ゲームの方では「765プロ全国キャラバン」編が展開されており、CDも日本の各地方での遠征活動がテーマになっていましたが、CDがテーマにしている地方とメンバー、ゲームのイベントで遠征した地方とその参加メンバーは必ずしも合致しておらず、CDに収録されているドラマパートともほぼ関連がありませんでした。またこのCD展開と同時進行のように3rdライブツアーが行われますが、このツアーもゲームやCDと連動していたかと問われると、微妙だとしか言えません。

余談:この3rdライブツアー開始直後あたりでディレ1こと石原章弘バンダイナムコを退社しアイマスから離れます

 グリマス最後のCDシリーズとなるLTFは、シアター組のアイドル37人をSUN,MOON,STARの3つの属性に分け、その中で12星座になぞらえた3~4人のユニットを作り、そのユニット曲と属性曲、そしてドラマパートを収録した全3枚のCDシリーズです(765AS組は楽曲には不参加です)。これはゲーム、CD、そしてライブとも連動していたと言っていいでしょう。「SUNSHINE RHYTHM」「BLUEMOON HARMONY」「STARLIGHT MELODY」はそれぞれ同名のイベントがゲーム内で開催され、CD展開とゲーム内イベントをすべて終えた後に武道館での4thライブ3daysも同名のサブタイトルで開催されました。

 あとはゲーム内のキャスト投票企画と連動したTA,TB,TC、ミリラジ曲が収録されたDJCD、さらにアイマスではこれまで無かった「コミカライズ作品から生まれた新曲」を収録したCDも単行本の特典として(一部配信限定の音源も含め)リリースされます。これらもライブで披露される機会はありましたが、グリマスとミリシタの比較に用いるものでは無いかなと思います。

強いて言えばグリマス時代のTAとは異なり、ミリシタ以降のTCでは765AS組も投票対象になったことくらいですかね。そこが重要なんだよと言いたい人もいるかと思いますが。

 

ユーザビリティ

 ミリシタはメインの画面が劇場の中であり、常に3Dモデルのアイドルが画面上で動いていてとてもリッチです。はじめのうちは自分も楽しめていましたが、プレイし続けているうちに、特別なタイミングを除いてこの劇場画面から得られる新しい情報は目減りしていきました。そうなってくると、特に用のないこの画面に遷移するたびにかかるロード時間が煩わしくなってきます。デイリーミッションのひとつであるアイドルとのふれあいは劇場画面でしか行うことができませんし、ふれあいの内容も、ふれあうアイドルを選ぶことができないせいで既に聞いた内容になることがほとんどになり、結局スキップします。スキップすることが分かっていても、アイドルをタップ→画面のフェードとデータのロード→スキップをタップ→画面のフェード→劇場の移動→画面のフェード→移動先画面のロード…という流れを3回繰り返すことになります。これを億劫だと感じる人間がものぐさなだけなのか、ゲームが不親切なのかは断定しかねますが、自分は億劫だと感じます。じゃあデイリーミッションをやるなと言われればそれまでかもしれませんね。リッチな画面と軽量で読み込みの少ない画面のどちらかを選べる設定がある、というのが親切なのではないかと思います。

 まとめると、「すぐに情報が欲しい時に検索上位のリンクを踏んだらトップページでクソどうでもいいFlashが再生されるタイプのサイトで、ページ内リンクをクリックするたび余計な演出が入る」みたいな煩わしさを感じるってことです。(この表現ももう古いですね)

 アプリゲーのミリシタに比べればブラウザゲーのグリマスにはリッチさなど全然ありませんでした。でもプレイ感はサクサクなので、「スマホで毎日プレイする」という前提であれば自分はこちらの方がプレイしやすいです。「グリマスのユーザビリティが優れていた」と言いたいのではなく、「グリマスもミリシタも特に快適だとは感じないが、自分はグリマスの方が触りやすかった」ということです。ミリシタも不必要な演出をカットできる設定などがあれば、自分も快適にプレイできるかもしれません。

 

ゲーム内容

 リズムアクションであるミリシタとブラウザポチポチゲーのミリシタのゲーム内容は、比較しようがありません。ただ、「イベントを走る」という行為で比較すると、やっぱりリズムアクションの方が身体的につらいですね。オートプレイにも限りがありますし、同じくリズムアクションであるデレステのイベントを走っていたプレイヤーが救急搬送されたという例もあったかと思います。同じ曲を延々とプレイするのも、よほど好きな曲でなければ拷問と大差ないですね。

 グリマスのイベントは、単に作業です。ゲームですらないと言われても仕方ないと思います。面白いかと問われれば、素直にゲームとしては面白くないです。極道やチョコイベならテキストが解放されていく楽しみくらいはありましたけど。ただ、大きな目的が「イベント上位を狙う」であれば、それにかかる作業は楽な方がいいです。その分、イベントを走るための金銭的負担は(イベント形式によっては)グリマスの方が大きかったかもしれません。

 

 キャラクターの視覚的表現

 カードイラスト

 覚醒前と覚醒後の絵柄がある、という点は共通です。加えてミリシタにはSSRカードに全画面表示のカードイラストがあります。絵に関してはもちろん個人の好みに依存するところが大きいですが、ミリシタの方が豪華な心象がありますね。ミリシタのSSRカードはグリマスのカードに比べて構図の自由度も上がっているので、表現の幅もかなり広がったと言えます。自分はどちらも好きです。

 3Dモデル/モーション

 ミリシタにしかない要素です。ライブシーンはもちろん、コミュでも大活躍しています。3Dモデルの出来については、グリマスからプレイしている自分でもほぼ違和感を感じていないので、すごくよくできていると思います。そもそも現実の人体の構造とは似て非なる2次元の人体を3Dに起こすと、ものすごい違和感を生むことが多いのでなおさらです。OFA(※)で星梨花、可奈、奈緒、未来、静香、翼が3Dに起こされた時もその出来はとても良かったので、当時から土台はできていたのかもしれません。次々実装される衣装の出来も素晴らしいです。

アイドルマスター ワンフォーオール … 2014年発売PS4タイトル。ミリオンやシンデレラの楽曲とキャラクターがDLCで配信された。

 モーションに関しては、ちょっとひっかかっている部分があります。コミュでのモーションなのですが大きく分けて3種類、仮に名前をつけるなら、ほぼ全員が使っている「汎用モーション」、1人のキャラしか使わない「固有モーション」、そして一部のキャラしか使わない「特殊モーション」みたいなものがありますよね。この中の「特殊モーション」、例えば百合子、紗代子、育あたりが共通で使う「両脇を締めて肘を胸の前に、両手を顔の横で握る」モーションなのですが、これ単体でも「普通に喋っててこんな動きするか?」と思いますし、さらにこれを複数のキャラで観測した場合には違和感がすごいです。単純に「俺の中の紗代子は人と話してる時にこんな動きしねーよ」という、解釈違いの話でもあります。「ゲームのキャラクターなんだから」というのはわかっていますので「現実味がない」などとはもちろん言いませんが、許容範囲を超えて気持ち悪くなったのだと思います。

 リッチなのはそれだけで良いことだとは思いますが、自分の場合グリマス時代からずっと脳内で補完してきたキャラの動きや仕草との落差が大きいのでしょう。これまでのアイマスのゲームに違和感を感じなかったのは、はじめからキャラが動いていたからかも知れません。

 

運の要素

 ゲームにおいて、運が絡む乱数的要素というものはおそらく無かったら無かったでつまらないものになるのでしょうが、「運ゲー」という揶揄が存在するように、運に左右される割合が大きいゲームを嫌う人は相当数いると思います。自分もその一人です。

 ガチャやスキルの話をしようとしているのではありません。目的のテキストを読めるか読めないかが運に左右されることについてです。ミリシタでは「ふれあい」と「オファー」、グリマスでは極道イベやチョコイベなどに該当します。

 まずグリマスでは、一定もしくは不定のスタミナを消費して発生したチャンス時に、選択肢の決定やアイテムを消費することでテキストが解放される形式でした。チョコイベではエリアごとの参加アイドルの中からランダムで3人が選ばれ、その中から一人を選択すると高確率でグッドチョイス、低確率でベストチョイスとなり、対応するテキストが解放されます。グッド、ベストにはそれぞれ概ね4種類ずつの短いテキストがあり、アイテムを使用することで確定ベストチョイスにすることもできました。特定の組み合わせのアイドルのグッドとベストをすべて開放すると、そのメンバー同士の会話となる「オフショット」も読めるようになります。極道イベに関しても、アイドルが限定されていることを除いてテキストの解放という点に限定すればチョコイベとほとんど変わりません。

 対してミリシタではゲーム内イベントにこういったテキスト解放に関わるランダム要素はありません。ミリシタにあるのは「オファー」と「ふれあい」です。「オファー」に関しては、オファーの開始から一定の時間経過でNORMAL、GOOD、PERFECTの結果が得られ、結果に依存する標準のテキスト3種か、結果に依存せず、必須アイドルによる推奨パートナーに関係するテキストが解放されますが、オファーを受けるアイドルの編成パラメータに影響されるものの、標準以外のテキストが解放されるかどうかは確率に依存しています(最近この確率が緩和されたように感じます)。

(2020/06/09追記・修正)「オファー」は2020年5月30日のアップデートで、未開放の必須・推奨パートナーの組み合わせが選択された場合必ずその組み合わせに該当するテキストが解放されるように改善されたそうです。知らなかった。やったね!

「ふれあい」は、劇場画面で吹き出しが表示されたアイドルをタップすることで見られるテキスト+ボイス+モーションの演出です(衣装コミュとは異なります)。初期からすべてのアイドルに数種類の「ふれあい」が実装されていますが、イベントごとに特別な「ふれあい」が実装されたり、SR以上のカードを入手することでそのカードに対応した「ふれあい」が追加されます。しかしこの「ふれあい」、たとえば「〇〇の新しいSRカードを入手したから、ふれあいが追加されているはずだ。見てみるか」と思っても、なかなか見られるものではありません。まず「ふれあい」は時間の経過(1時間枠・2時間枠・4時間枠の3種)によって発生し、一度に劇場全体に存在できる上限は1枠につき1人までで、合計3人です。劇場にいるアイドルはリログしたり一度タイトル画面に戻ったり等することで入れ替わりますので、入れ替わりの度に目的のアイドルを引く確率は3/54(シアターアイドル52人+詩歌&玲音)ということになります。さらに目的のアイドルを引き当てた後、どの「ふれあい」が再生されるかもランダムなので、1/(そのアイドルの所持SR数+そのアイドルの所持SSR数+デフォルト3種)の確率で目的の「ふれあい」を引き当てなければ見ることができません。

 この運要素、誰が得するんでしょうか。ちょっと想像がつきません。ユーザーが無駄な時間を使わされたりストレスためるだけで誰も幸せになっていないと思います。

 

楽曲

 これはもう完全に好みの問題です。グリマス時代の曲もミリシタ以降の曲も、どちらにも好きな曲と別に好きじゃない曲はあります。その中でミリシタ以降の曲の方が好きな曲が少なく、特にMTW以降はもっと少ない、というのが現時点での自分です。

 曲の内容ついては上記の通り完全に好みの問題ですが、楽曲数に関しては特に落胆しています。ミリシタ1年目にはMSシリーズとMTGシリーズとTBシリーズがありましたが、2年目にはMTWシリーズとTCシリーズのみになりました。

 アイドルマスターブランドという枠においてミリオンライブが持っている強みの中で一番わかりやすいのが楽曲数です。とりわけソロ楽曲の充実が目を引くように思います。ソロ楽曲が増えることで、各アイドル一人一人の個としてのカラーは鮮やかさと説得力を増していきます。これは、そのアイドル達がユニットを組んだ時に個々のカラーを組み合わせて描かれる景色の解像度を上げることにも繋がっていきます。自分がミリオンライブに感じている魅力とは、こういうところが大きいのかもしれません。39人分のMASTER ARTISTを出すくらいはやり遂げて欲しいですね。夢は大きく。

 

まとめ

停滞感

 グリマスで積み上げたものを一部引き継ぎながら、時系列としては一度リセットされ再構築されたミリオンライブのストーリーは、その解像度を上げてグリマスよりもリッチに実装されて始まりました。1年目はそれで良かったと思います。しかし1年の間新しい展開を待ち続けて迎えた2年目の展開には、自分が期待していた新しさを感じられませんでした。属性の縛りを受けなくなっただけで本質はMTGと変わらないMTWシリーズと、内容は素晴らしいのにあまりにも実装が遅いメモリアルコミュ。自分が欲しかったのは「前に進んでいるという感覚」だったと思います。実際に自分が感じたのは、シアターとしての目標がどこにあるのかも分からないまま足踏みをしている、または閉じた世界で似たような景色の道をぐるぐる回っている感覚です。これに耐えられないから、今は心が離れてしまっているんだと分かりました。

 

発見

 具体的に言葉にしてみると、今のミリオンライブにもいいところがたくさんあるということもよく分かりました。坊主憎けりゃ…に陥っていたところが認められたので、一度ニュートラルな立ち位置でミリシタを再評価するためのいい機会になったと思います。

 

次のステージへ

 メモリアルコミュ4~5、およびソロ2曲目のコミュを経て、アイドル達はようやくグリマス終了時点か、場合によってはその先へと歩みを進めていることが見て取れるようになってきました。できれば2年目いっぱいで全員分の実装をしてほしかったのですが、それは叶わなかったので3年目はもっとペースアップしてほしいです。

 シアター全体としての目標も欲しいです。時系列はリセットされているので武道館ライブでもいいですが、ミリシタになってからすでにもっと大きな会場でライブをしてしまっているのでちょっと違和感があるかもしれません。ドームでもいいですね。ライブ会場としてのドームはあまり好きじゃないですが。

 とにかく新しい展開、MTGやMTWみたいな形式とは異なる展開のしかたをしてほしいですね。それこそアイドル一人を深く掘り下げるソロイベントとか。それに連動してソロCDシリーズとか。もちろんいろんな面でコスパが悪かったりして他のアイマスブランドでもそんな展開はしていないんでしょうけど、他所と同じようなことをやってもジリ貧になりますし、ミリオンライブにはもっと冒険してほしいです。チュパカブラは別にいいです。

 

(2020/06/09)フォロワーさんからのご指摘で「運の要素」の内容を一部修正しました。ご指摘と情報ありがとうございます。